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指矩とは

指矩(さしがね)という道具を見たことはありますか?

この記事では指矩について解説します。


指矩(さしがね)とは工具の一種であり、金属製で目盛りがついていて材木などの長さや直角を測ったり、勾配を出したりするのに使われます。

「差金」「指金」「尺金」「曲尺(かねじゃく)」など、書き方や呼び名はさまざまです。

L字型をしており、両方の辺に目盛りがあります。内側にも目盛りがあります。

辺の長い方は長枝や長手、短い方は短枝や妻手といいます。


線を引く、寸法を測る、直角を出すなど大工道具のなかでも最も基本的な道具です。

指矩は表目に尺貫法による寸、分、5厘の目盛が刻まれています。

これで材料に実寸で墨付けをしたり、勾配を測ります。

裏目には「角目」と「丸目」という目盛がついています。

「角目」は表目に2の平方根=1.41421356(ひとよひとよにひとみごろ)が掛けてあります。中学で習った直角二等辺三角形の1:1:√2に対応しているので、丸材(丸太)から取れる角材の最大寸法が瞬時にわかります。

「丸目」は表目に円周率=3.14159265が掛けてあります。

丸太の直径を丸目で測れば、すぐに丸太の円周の長さを出すことができるのです。


大工さんにとって絶対の必需品ですが、使いこなすためには「規矩術(きくじゅつ)」を学んでみましょう。規矩術(きくじゅつ)を全てマスターする事はプロの大工さんと言えども至難の技だそうです。

指矩は長さを測ったり、曲線を描いたり、角度や円周を求めたり、様々な形の面積や体積まで計算ができます。

この指矩を日本で広めたと言われているのが聖徳太子です。

中国からこの指矩を日本に取り入れ、大工を集めて講義を開き、建築の基礎などを教えたとの言い伝えがあります。聖徳太子は大工の神様として信仰されています。


角目・丸目などの測定目盛りの使い方について知らない方も多いと思いますが、

知っていたら便利ですよね。

大工さんが使っている指矩は、たくさんの歴史が刻まれた奥が深い道具だったのですね。



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