みなさんは、合板がどのようなものかご存知ですか?
この記事では合板について解説をします。
合板(ごうはん)とは薄い単板(たんばん・ベニア)を接着剤で張り合わせ1枚の板にしたものです。
断面を見てみると縞模様になっています。
単板の木目方向が1枚ずつ交差するように張り合わせることで強度を上げています。
また、一定の含水率まで乾燥させた材料を重ねているので、無垢材などよりも伸び縮みが少ないです。1本の丸太から多くの材料を得ることができるため、大きな板材を低コストで作ることが可能となります。使用する単板の樹種や厚さ、枚数などの構成によって、いろいろな性能を持つ材料を作ることができるでしょう。これらの優れた特徴を持つことから、建築材や家具材、什器の材料、DIYなど幅広い用途で使用されています。
合板にはJAS(日本農林規格)が定めた品質基準があります。
合板のJASマークに記載された「〇類」や「F☆」、「等級」などから品質を確認することが可能です。
合板に使用されている接着剤の種類と強度で、「特類」「1類」「2類」「3類」の4つの等級に分けられます。
【特類】:フェノール樹脂接着剤
屋外など常に湿潤状態となる場所で使用します。
4つの分類のなかでは最も耐水性、耐熱性に優れています。
【1類】:メラミン樹脂接着剤 断続的に湿潤状態となる場所で使用します。
特類よりは劣りますが、耐水性、耐熱性、耐老化性に優れています。
【2類】:ユリア樹脂接着剤 時々、湿潤状態となる場所で使用されています。 耐水性はあまり高くないのですが、尿素(ユリア)を原料に作られているため、安価であることが特徴です。
【3類】:増量ユリア樹脂接着剤、カゼイングルー その他の接着剤の登場により、現在では使用されなくなりました。
【F☆】
Fと☆は、接着剤に含まれているホルムアルデヒドの放散量を示すマークです。
☆の数が多くなるほどホルムアルデヒド放散量は減り、体にやさしいものとなります。
「F☆☆☆☆(エフフォースター)」が最高等級です。
【板面の品質】
A-B-C-Dの組み合わせで表記され、一番品質が良いものをAとしています。
A-BやC-Dと表記され、表面-裏面となります。
【等級】
等級は合板の品質や強度を示すもので、構造用合板では1級と2級が定められています。
1級の方が強度に優れていますが、一般的な用途なら2級の合板でも問題ないです。
次に、合板の種類をみていきましょう。
JASで規定されている合板の種類には、普通合板や構造用合板、コンクリート型枠用合板、化粧合板、などがあります。
【コンクリート型枠用合板】
「コンクリートパネル」や「コンパネ」とも呼ばれます。住宅基礎工事の際に、
コンクリートを流し込むための型枠として使用される合板となります。
【構造用合板】
構造用合板とは、住宅の壁、床、屋根の下地などに使用される合板であり、
JAS(日本農林規格)により規格により、認定品にはスタンプが押印されています。
【普通合板】
上記の2種以外の合板で、特定の用途が指定されていない合板のことです。
面に塗装などは施されておらず、DIYなどの一般的な用途で広く使用されます。
【化粧合板】
表面に美しい見た目のベニヤを貼り付けた合板のことです。
住宅の内装や家具、フローリングに用いられています。
合板に使われる木の樹種についてもみていきましょう。
【ラワン合板】
ラワンは広葉樹の一種で、柔らかいため加工がしやすい特徴があります。
家具裏板や建材、DIY用途など、幅広いシーンで使用されています。
【シナ合板】
シナ(シナノキ)は落葉広葉樹で、淡い黄白色ではっきりとしや木目はありません。
木質は均質で柔らかく軽い素材です。
【針葉樹合板】
ヒノキや杉、カラマツなど、針葉樹で作られた合板が針葉樹合板です。
【OSB合板】
「Oriented Strand Board」の略で、木片を集めた固めた板のことです。
非常に固く加工がしやすく、表面に独特の模様があります。
【ランバーコア材】
木片を芯材として使い、表面にベニヤ板を貼って作った合板で、
棚板やテーブルの天板などに使用されます。
合板にはいろいろな種類があり、厚さやサイズも豊富です。
無垢材より価格が安く、大きな板を製作できるメリットがあります。
合板は種類によって特徴が異なるので、使用する場所や用途などをよく考えて選ぶようにしましょう。
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