top of page

石膏ボードとは

みなさんは、石膏ボードがどのようなものかご存知ですか?

この記事では石膏ボードについて解説をします。


石膏ボードとは硫酸カルシウムと水からなる鉱物「石膏(せっこう)」を芯材に、両面と側面をボード用原紙で包んだ板状の建築資材のことです。

建物の壁や床、天井などの下地材として幅広い内装工事で使用されています。

業者や職人によっては、石膏ボードを「プラスターボード(PB)」と呼ぶこともあります。石膏を120℃~150℃に加熱すると、石膏に含まれていた水分が蒸発し、焼き石膏になります。焼き石膏に水を加えると、再び元の石膏に戻って固まる性質を利用して、石膏ボードを作っているのです。



石膏ボードには間仕切りや天井、使用する場所、用途によってさまざまな種類があります。種類とそれぞれの用途をみていきましょう。


・標準石膏ボード

一般的な建物に多く使用されるのが標準石膏ボードでホームセンターや通販サイトで簡単に購入できます。DIYで使用するのにも適した石膏ボードです。


・強化石膏ボード

耐火性能を強化したのが強化石膏ボードで、石膏の芯材に無機繊維材料を混ぜて作ります。壁や天井の下地材として使用されたり、耐火・遮音を目的に構成材として使用されます。


・構造用石膏ボード

強化石膏ボードにくぎ側面抵抗を強化したのが構造用石膏ボードで耐震的性能が高いため耐力壁用に適しています。


・シージング石膏ボード

耐水ボードや防水ボードと呼ばれています。石膏と紙に防水加工が施してあり、湿度や温度による伸縮がないため、水回りに使用できる石膏ボードです。


・化粧石膏ボード

石膏ボードの表面に化粧やデザインを施したのが化粧石膏ボードで、化粧加工をした紙やプラスチックシートを用いたものや塗装、型押しなどがあります。


・石膏ラスボード

石膏ラスボードはボードの表面に孔(あな)を空けて、左官仕上げ材料の付着をよくしています。施工性や耐火性、防火性、遮音性に優れています。


・吸放湿石膏ボード

標準石膏ボードに調湿性機能を備えたものが吸放湿石膏ボードです。

標準石膏ボードや化粧石膏ボードの機能を残しながら、吸放湿性を3倍に高めたボードとなっています。室内の空間を快適にしてくれます。


・不燃積層石膏ボード

石膏の表面に不燃性の紙を巻いて作られるのが不燃積層石膏ボードです。

建築基準法や消防法の内装制限で不燃が求められる天井や壁の下地材として用いられます。塗装加工された不燃化粧ボードは、内装仕上げ材としても使用されます。


石膏ボードにはどのようなメリットがあるのかみていきましょう。


・価格が安い

石膏ボードは非常に安価で経済的です。

標準タイプの石膏ボードであれば、ホームセンターや通販などで500円程度から購入することができます。そのため、住宅の建築やリフォームにかかる費用を抑えたい方におすすめです。


・耐火性・防火性に優れている

石膏ボードに使用されている石膏の中には、約20%の結晶水が含まれています。

結晶水は高温にさらされると、熱分解を起こし水蒸気となって放出されます。

石膏ボードの温度上昇を遅らせ、石膏そのものが熱や火を伝えないように防ぐ役目をするのです。


・遮音性に優れている

音を通しにくい点も石膏ボードの特徴です。遮音性に優れている理由は壁の内側の空間にあります。石膏ボードを取り付けると、壁の内側に空間が生まれるため、音を通しにくい構造になります。


・加工しやすい

石膏ボードの加工は木材と比べても簡単です。

のこぎりや文具用のカッターで簡単にカットすることができます。


デメリットもみていきましょう。


・点の衝撃に弱い

石膏ボードは先の鋭いものなど、点の衝撃に弱いです。がびょうや釘など先端が鋭いモノをぶつけたり刺したりすると、穴が空いたり欠けたりします。


・耐水性が低い

石膏と紙で作られているため、水分や湿気に弱いです。

そのため水回りに使われることは少ないですが、近年では耐水性に優れた石膏ボードも販売されています。


・一般ごみで廃棄できない

廃棄の際は産業廃棄物に分類されるため、一般ごみとして処分できません。



石膏ボードは安価で施工がしやすく、耐火性・防火性・遮音性などのさまざまなメリットがありますね。種類が豊富で見た目だけではなく、機能性も種類によって大きく変わるため、自分の目的に合うものを選びましょう。




bottom of page